ストリートファイト: 人間の街路を取り戻したニューヨーク市交通局長の闘い
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著者 ジャネット・サディク=カーン セス・ソロモノウ
翻訳 中島直人(監訳) 石田祐也 関谷進吾 三浦詩乃
アートディレクション 見増勇介 (ym design)
発行年月 2020年9月15日(日本語版)
ジャンル 都市計画 交通 インフラ 自転車
出版社 学芸出版社
ジャネット・サディク=カーンの『ストリートファイト 人間の街路を取り戻したニューヨーク市交通局長の闘い』を読み終わった。
以前読んだ『世界に学ぶ自転車都市のつくりかた』で知った、ブロードウェイから車両を締め出してのタイムズスクエアの広場化や、駐車帯と歩道の間に自転車レーンを組み込む「パーキング・プロテクテッド・バイクレーン」、シェアサイクル事業などといった、カーンが交通局長在任中に実行した交通施策についての回顧録で、『自転車都市のつくりかた』に引き続き、読むと普段自分が利用している日本の街路がどれだけ自動車中心に設計されていて、自動車以外の人間の移動がないがしろにされてるのかってことに目が行くようになる。
分かりやすい例でいえば、青くペイントされた自転車"専用"レーンの多くが断続的に自動車の路上駐停車両で埋められていて、そこを自転車で通過するには車道の内側車線に移るか、歩道を走るしかなくなるケースが頻繁にある。それで自動車の運転手からも歩行者からも危ないだのなんだのと自転車が目の敵にされる、みたいな状況とか、あるいはもっとシンプルに郊外の駅前から少し離れた通りになると車道の脇に段差すらない、歩道って呼んじゃいけないようなスペースを歩行者が歩かされている状況とかって、やっぱコレおかしいでしょと改めてデカめの声で言いたくなってくる、みたいな。
こういったことについて以前カガ君と国分寺で会った時に歩きながら軽く話して(国分寺が実際上に書いたような歩道の状況だったので)共感と同意をもらった時、「まあでも日本みたいに自動車産業が強い国じゃ何言っても変わんないんでしょうけど」と言われてしまったのだけど、アムステルダムやコペンハーゲンのような都市でしか実現できていないような話であるならさておき、ニューヨークみたいな街であっても、経済的なリスクを負うことなく自動車の交通量を制限して人間が歩きやすく自転車でも走りやすい街に変えることが実現できているという事実があるのを知ると、決して無理な話じゃないんだよなっていう前向きな気持ちにさせられる。
ただし、別にいいアイデアを鮮やかに思いついて魔法みたいに道路の設計をスパッと変えられたというわけではもちろんなく、地道な住民との交渉や説明みたいな根回しはもちろん、立案するための徹底したデータ収集と分析があってのことであるし、なによりカーン自身の熱量が凄かったことも伝わってくるので、同じことを実現するには街路の現状についての確固たる問題意識とリーダーシップが必要なんだよな……とも思う。
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761532611/
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